サラバンドの町(西区)

爺さん
見た感じ帝国王子の上の2人は・・・
しっかりなさってる雰囲気じゃったよ
それに引き替え末っ子ときたら・・・
おや・・・あんた もしや・・・
ウホン いやいや3男の王子様も
結構 頼りになりそうな方じゃった。
婆さん
あたしゃ 断然3番目の王子様じゃ
目鼻立ちがしっかりした男前で・・・
あら ポッ やだよこの子は恥ずかしい。
若者
あんたも仮面の僧侶を捜してるのかい?
はい
若者
さっきも 仮面の僧侶を捜してると
若い2人組の帝国兵が聞いてきたけど
そんな僧侶は見たことさえない・・・
だいたい そんないかがわしい連中は
警戒厳しい和平会議中のサラバンドに
入ることなんてできっこないだろう?
いいえ
若者
そうだよな 仮面の僧侶なんて・・・

待てよ

若者
近隣のバルサモの町に行けば
そんなヤツらが・・・いるって聞いた
エルベセム以外の神を信仰する異教で
仮面をかぶるヤツらなんて不気味だよ
オレに言わせりゃ もはや邪教だな!
女性
今しがたの・・・2人組の若い帝国兵
何でも仮面僧侶を捜してるって話なの
そんな人 サラバンドにいるかしら?
帝国兵1
おや これはご3男のメディオン王子様
ずいぶん 早いお帰りでございましたね
しかし こちらは2人の王子様の軍が
万全に警備させて頂いておりますから
どうぞ ゆっくり町でも見物して下さい。
帝国兵2
マジェスティ王子の気品にあふれた姿と
アロガント王子の威厳に満ちた態度こそ
我がデストニア帝国にふさわしいものだ
それに引き替えどこぞの3男坊は・・・
どう見ても帝国の血筋とは不釣り合いだ
誰だって きっとそう思ってるはずさ!
帝国兵3
誰もが認める王子様2人は言ってるぜ
あいつの顔を見てると腹が立つから
普段は顔を合わせたくないって・・・
我々は そのお言葉を実行するため
夜になるまでここを通せないんだよ。
帝国兵4
ドミネート様が会議に出席されたため
ここは今 2人の王子専用の屋敷です
残念ながらお通しする訳にはいきません。
民家1のおばさん
あたしら もう帝国民じゃないのよ
だから何も恐れる必要なんてないわ
だけど 帝国軍が駐留してるだけで
監視されてる気分になっちまうわよ。
民家1のおっさん
よりによってドミネート皇帝が・・・
サラバンド東地区に寄宿するなんてな
恐ろしくて・・・睡眠不足になるわい。
民家1の女の子
パパもママも元帝国民だったのよ
その頃 軍に目をつけられていて
ずいぶん ひどい目にあったらしいの。
民家2の若者
帝国からの移住民の多いサラバンドでは
和平会議でやってくる帝国軍のことを
恐れている者も少なくありませんでした
確かに皇帝や第1王子と第2王子が
今までの帝国のイメージのままなだけに
メディオン王子の存在はむしろ意外です。
民家2の女性
もしや あなたはメディオン王子・・・
こんなむさ苦しいところにおいでいただいて
もう 恥ずかしいったらありませんわ
今もウワサしてるところでしたのよ
メディオン王子の統治になったら
帝国も住み良い国になるねって!
民家2の男の子
お兄ちゃん 帝国の王子様なんでしょ?
デストニア帝国を好きにできるなんて
どんな気分・・・いいに決まってるか。
近衛兵舎の兵士1
帝国の第1王子と第2王子に比べて
第3王子だけが冷たくされてる訳は
母親の血筋に関係があるそうだな
上の2王子の母親は皇帝の正妻で
一流中の一流の高貴な貴族の出だが
第3王子の母親は平民なんだそうだ。
近衛兵舎の兵士2
近衛兵って何だか知ってるかい?
はい
近衛兵舎の兵士2
一般地区の守備兵はいわば未熟者さ
みんな 近衛兵になりたいだろうが
まあ まず夢に終わるに違いないね。
いいえ
近衛兵舎の兵士2
グラビー総督の宮殿や総督区のある
サラバンドの北側を守備する部隊だ
我が国の心臓部である中枢を死守する
正に選ばれしエリートの集まりなのだ。

近衛兵舎の兵士3
我々近衛兵はまず出世の第1歩に立った
この後さらに互いにけ落とし合い・・・
長官の道を目指すが道は険しく遠いのだ。
近衛兵舎の兵士4
私は出世したい訳じゃありませんでした
何がどう気に入られたかわかりませんが
近衛兵になってしまったんですよ・・・。
近衛兵舎の兵士5
帝国ってのは相変わらず身分社会で
生まれで将来が決まっちまうんだな
そんな国家じゃ将来の夢が持てないよ。
近衛兵舎の兵士6
身分社会ってのはいつの時代だって
ついて回ることなんじゃないかな
例えばオレたちはサラバンド兵では
特権階級の近衛兵という職務なんだ
西地区の寄宿舎のヤツらとは違うよ。
本陣
グランタック
誰かのことを調べようという時には
本陣の本棚にある人名辞典をご覧くだされ
きっとメディオン様のお役に立ちますぞ。
グランタック(軍師)
ヤツらは荷に忍ばせた大量の火薬で
和平会議の失敗を狙っているのか?
帝国と共和国の和平を嫌う者は・・・
両国に多数いると聞いていますがのう
・・・誰の差し金によるものか?
キャンベル
あの仮面僧・・・怪しすぎます・・・
この重要な会議の会期中だというのに
どうやってサラバンドに入ったのか?
帝国兵

おっと 待った!

グランタック
我々を呼び止めた声ではないらしい。
キャンベル
すると 今のはいったい・・・。
ダンタレス
我々に ケンカを売るつもりか・・・。
グランタック
ケンカですな・・・どうやら・・・
共和国軍の者でも紛れ込んで・・・
帝国兵に難クセをつけられているようだ。
ダンタレス
なあ そうなんだろ・・・
ケンカを売ってるんだよな?
キャンベル
あの声は・・・確か・・・。
メディオン
・・・・・・?
キャンベル
前にお話した共和国との地域紛争・・・
一人で帝国軍を全滅の危機に追いつめた
共和国の騎士・・・ダンタレスでしょう。
グランタック
お主が命がけで勢いを食い止め・・・
しかし痛み分けに終わった戦じゃった
あのダンタレスなら帝国軍が危ない!
ダンタレス
やってみないことにはわからん・・・
だが やるからには覚悟はしてもらう
そう 腕の1本や2本はな・・・。
グランタック

その辺にしてやって下さらんか!

ダンタレス
おう お主は帝国のキャンベル殿
それに・・・あなたは・・・。
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
その方は共和国のダンタレス殿
私以上の剛の者と評判のお方だぞ。
帝国兵1
キャンベル殿より剛の者だと・・・。
帝国兵2
また とんでもない男に・・・。
キャンベル
無理に止めたりは せぬが・・・
オレなら・・・戦わぬよ・・・
お前たちは どうするんだ?
しかし お前たちはずいぶん
失礼をしていたようだったが
果たして許してもらえるかな?
ダンタレス
おかげで助かりましたよ。
キャンベル
なんの・・・私は帝国の兵士のため
あのように言ったまでですから・・・。
シンビオス
メディオン王子やキャンベル殿の前で
恥ずかしいところをお目にかけました
騒ぎを起こしたこと・・・お許し下さい。
メディオン
・・・・・・。
シンビオス
キャンベル殿が仕えるメディオン様は
どんな方か話していたのですが・・・
思った通りの素晴らしい方で良かった。
グランタック
このまま お互いに礼を尽くしてると
時間がいくらあっても足りませぬぞ。
キャンベル
その節は ひどい目に会いましたよ
もうダンタレス殿と戦わずに済むように
この和平が成立することを祈ってます。
ダンタレス
それは私のセリフだ キャンベル殿
今 生きているのが不思議なほど
本当に はげしく戦ったものだ。
キャンベル
お隣の方が もしやシンビオス様?
あの名将と名高いコムラード様の・・・。
シンビオス
は はい フラガルドのシンビオスです
父が名将だなんて・・・でも少しでも
昔の名声が残ってるならうれしいです。
メディオン
・・・・・・。
ダンタレス
しかし 偶然にしては出来過ぎだ
みなさんの商業区のおでかけに
こうして出会えるなんて・・・。
グランタック
偶然は・・・偶然ですが・・・
実は 我々は仮面の僧を・・・。
グレイス
仮面の僧というと・・・。
シンビオス
こ これはどうしたというんだ・・・
サラバンドが攻撃を受けるなんて・・・
まさか 和平会議の失敗を狙ったのか!
メディオン
・・・・・・。
グランタック
うむ 間違いありますまい・・・
しかし・・・何のために・・・。
キャンベル
ヤツらの目的はわかりませんが
ここは ひとまず寄宿舎に戻り
被害の状況を知るべきでしょう。
メディオン
・・・・・・。
シンビオス
はい 私も寄宿舎に戻らねばなりません
本当にメディオン様と知り合えて光栄で
こんな邪魔さえなければ・・・残念です。
キャンベル
これは例の火薬でしょうか・・・
仮面僧さえ我々で捕まえていたなら
防げていたかも知れない騒ぎ・・・。
グランタック
ヤツらの目的が何なのかわかりませんが
ここはひとまず寄宿舎に戻りましょうぞ。
キャンベル
仮面僧を探したい気持ちはわかります
しかし 一時寄宿舎に戻るのが得策です。
爺さん
ウーン この爆発と火薬の香り・・・
近代戦争は ついに白兵戦の時代から
戦術兵器戦へと移り変わるのかのう?
婆さん
砲撃ってのは 爆発音は派手じゃが
意外と当たらんことに気づいたんじゃ
こんなことで おどろいとったら
ウチの人と一緒にいられんわい!
若者
アタフタ アタフタ サラバンドが
どこからか侵略を受けるなんて・・・
こんなこと とても信じられませんよ
この国が各国にもたらす利益たるや
大変な経済効果のはずなんですから
待てよ・・・商人軍団の反乱では?
女性

イヤーン

和平会議の開催のせいよ
テロリストが要人の殺害を狙って
どこからか 砲撃しているんだわ!
兵士1
な なんだ なんだ なんだ・・・
砲撃か サラバンドへの侵略なのか
ど どうしてこんなことになった?
兵士2
先に外へ飛び出していった近衛兵は
もう とっくに総督区に行ったろう

しまった

こんなことで減点されたら
私の出世の道が遠退いてしまうのだ
だが・・・足がいうことを聞かない!
帝国兵1
ガクガク このいっせい砲撃・・・
ガクガク 帝国要人の集結を狙って
共和国のテロリストが仕組んだことか?
帝国兵2
皇帝を除いて帝国要人のみな様方は
すでに寄宿舎内で待機なさっています
お2人の兄王子様方は・・・お優しくも
腹違いの末王子様の帰りをお待ちですよ。
帝国兵3
兄王子様たちのお優しいお言葉により
昼間ながら寄宿舎にお入り頂けます
くれぐれも寛大な兄王子様たちへの
敬意を忘れないように願いますぞ。
帝国兵4
どわわっ また砲撃音がするが・・・
私は王子の母の遠縁に当たる家の出だ
こんなことに気後れしてはいけない!
みんな・・・恐ろしいクセに・・・
顔に出さないことこそ名家の証・・・
メディオン様にはわかりますまいな!
本陣
グランタック(軍師)
マジェスティ王子にアロガント王子と
2人の王子に顔を合わせるとなると
気が滅入るのは良くわかりますぞ!
キャンベル
海上都市の各所で起きた爆発で・・・
サラバンドは多大な被害を受けたかと
・・・だが それだけではないはずです
寄宿舎の帝国軍首脳に会われませ・・・
それによって・・・ヤツらの狙い・・・
何だったのかが見えてきましょうぞ!
キャンベル
シンテシスとウリュドのヤツ・・・
どこへ行ってしまったのでしょう?
グランタック
そういえば 邪教僧を追って・・・
この方面に向かったきりじゃぞ?
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
いや あの2人のことですから
爆発騒ぎに巻き込まれることは
・・・決してありますまい。
グランタック
騒ぎが収まるまでの間・・・
どこかで休んでいるかも知れんのう。
キャンベル
私はこの中のお歴々が苦手ですが
この際ぜいたくも言ってられません
さあ 入りましょう メディオン様。
シンテシス
仮面僧を探していたら・・・
砲撃騒ぎが始まってしまったわね?
ウリュド
この騒ぎは絶対に例の仮面僧が
仕掛けた火薬が爆発したものだ!
シンテシス
ヤツらはこんな騒ぎを起こして・・・
いったい何を狙っているのかしら?
ウリュド
わからない わからないけど・・・
火薬を見つけた我々の命を狙うぐらい
ヤツらにとって重要なことだろうな?
シンテシス
メディオン様たちと はぐれたけど
どこに行ってしまったのかしら・・・。
ウリュド
メディオン様たちが向かった方向は
探しに行ったけどいなかった・・・。
シンテシス
それじゃ やっぱり・・・。
ウリュド
きっと寄宿舎に向かった・・・
それしか 考えられないな。
シンテシス
イヤな兄君様たちのいる寄宿舎だから
まさかと思って外したけれど・・・
これだけ探してもいないのなら・・・。
ウリュド
ダメだ メディオン様の所在がわからず
中に入ったら何を言われるかわからない
それを思うと・・・入る気になれない。
シンテシス
私も・・・同じ気持ちだわ・・・
メディオン様がいてもあの態度だもの
私たちだけだったらどうなるかしら?
そうだわ 本陣にいればいいじゃない
あそこにいれば いずれキャンベル様が
きっと探しにやってきてくれるわよ!
ウリュド
それは名案だよ シンテシス
騒ぎが収まるまでの間だけだもんな!
シンテシス
いったーい 急に止まらないでよ
どうしたっていうの ウリュド!
ウリュド
あそこをご覧よ シンテシス・・・。
シンテシス
まあ クリュエル将軍だわ・・・
こんな時に何をしているのかしら
まるで誰かを待っているみたい・・・。
クリュエル
ずいぶん遅かったじゃないですか・・・
もちろん 失敗はなかったでしょうな?
フィアール
作戦中 コムラードの息子と鉢合わせ
予定外に遅れてしまったのだが・・・。
シンテシス

・・・・・・!

クリュエル
何ですと・・・それでまさか・・・。
フィアール
さすがにベネトレイムに手は出せんよ
寄宿舎側に行きすぎてから・・・
庭伝いに1度西の荷置き場に退避した。
クリュエル
では・・・桟橋を抜けていないのですね
これは大変だ・・・桟橋の守備兵配備で
サラバンドの脱出が難しくなる・・・。
フィアール
ふふ 少々予定に狂いは生じたが
手荒いワザさえ使えば造作もない。
クリュエル
止むを得ません・・・総督には
私から説明しておきましょう。
シンテシス
今の話・・・どういうこと・・・
ベネトレイムって共和国王よね・・・
じゃあ総督ってグラビーなの・・・。
ウリュド
オレに聞かれたってわからないよ
頭のいいシンテシスのわからないことを
どうしてオレがわかると思うんだ・・・。
シンテシス
後を追いかけましょうよ ウリュド!
ウリュド
後を追いかける・・・誰の・・・。
シンテシス
後から現れた男に決まってるでしょ?
ウリュド
追いかけるって言ったって・・・
もう 行っちゃったじゃないか?
シンテシス
今行けば まだ間に合うわよ。
ウリュド
・・・1度こうと言い出したら
聞かないからな シンテシスは。