ダンカンの家

トビィ
今頃 シンビオス様たちは・・・
どの辺までいったかな ダンカン?
ダンカン
それはわからんがね トビィ・・・
バルサモからはずっと離れただろうな。
トビィ
バルサモの入り口の帝国兵士たちは
ベネトレイム様を皇帝誘拐犯と・・・
でも皇帝なんか連れてなかったもんね。
ダンカン
サラバンドで起きた事件の真犯人は
きっと 別にいるに違いないな・・・。
トビィ
ベネトレイム様もそんなこと言ってたね
必ず 真犯人を突き止めるって・・・。
ベネトレイム様のあの言い方は・・・
きっと何か 心当たりがあるんだよ。
メディオン
・・・・・・。
トビィ
今の話・・・聞いてたの・・・?
ダンカン
確かに・・・オレは・・・
共和国軍を逃がした・・・。
だけど・・・この子は違うんだ・・・
この件には・・・何も関係ないんだ
どうか見逃してやってくれ 頼む!
トビィ
な 何を言ってるの・・・ダンカン。
シンビオス軍はボクら2人で
逃がしたんじゃないか・・・!
ダンカン
帝国では 帝国に逆らう国民は・・・
それは・・・きびしく罰せられるのさ
それが特権階級以外の者だったら・・・。
グランタック
ちょ ちょっと待ってくれ・・・
我々は見た通り憲兵隊じゃないんじゃ
君たちにヒドイことをする気はない!
ダンカン
帝国軍が不利益な行いをした自国民に
・・・ヒドイことをしないだって?
トビィ
そんな話 聞いたことないや・・・
帝国は貴族のためにある国だから
国民は従うことしか許されないのに?
グランタック
こうして・・・直に国民の声を聞くと
帝国内の実態がわかるものじゃ・・・
情けない話ですな メディオン王子。
ダンカン
あなたが・・・メディオン王子・・・
平民出の女性から生まれたという?
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
おいおい その話に間違いはないが
初対面の・・・しかも帝国の王子に
・・・ぶしつけ過ぎないか ダンカン。
ダンカン
こ こりゃあ 失礼しました・・・
だって・・・帝国の王子様が・・・
我が家にやってくるなんてこと・・・。
トビィ
メディオン様は我々に近い方だから
ボクらのことを許してくれたにしても
・・・共和国軍は絶対に許さないよね?
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
王子の言われる通り 少なくとも我々は
・・・罪のない者を罰するつもりはない
真実を究明し皇帝を取り戻したいだけだ。
ダンカン
例え その言葉がウソだとしても・・・
帝国軍の者からそんな言葉が聞けるとは
・・・あんたたち 本当に変わってるな。
グランタック
確かに帝国の軍部の者の言葉としては
変わっとらんとは言わんがのう・・・
少なくとも 間違ってるとは思わんよ。
トビィ
そういう考えなら どうして・・・
シンビオス軍の行方を探すのさ?
キャンベル
この事件は帝国と共和国間の戦争にまで
今発展しようとしているのはわかるな?
もしも事件の犯人が別にいるなら・・・
2国間戦争はさけられるのだよ トビィ。
メディオン
・・・・・・。
ダンカン
残念ながら・・・少し遅かったようだ。
キャンベル
遅かった・・・とはどういうことだ?
トビィ
井戸を爆破しちゃったからね・・・
共和国軍の後を追うことはできないよ。
ダンカン
井戸は川向こうへの通路の入り口だった
シンビオス軍をそこから逃がしてから
思い切って爆破してしまったんだ・・・。
グランタック
あの爆発はそれじゃったのか・・・。
トビィ
シンビオス軍の戦士オブライトさんを
・・・ボクの命の恩人を助けるために
後を追えないようにしちゃったんだ。
ダンカン
今頃はドワーフの谷を
・・・抜ける頃だろうな。
キャンベル
もうちょっとで会えたのに・・・
まったく・・・何てことだ!
おどかしてゴメンよ トビィ
君たちを責めた訳じゃないんだ。
メディオン
・・・・・・。
グランタック
シンビオス軍がレイルロード方面へ
共和国に向かっているのは明らかじゃ
我々もその方面に向かえば良いのです。
ダンカン
確か 帝国軍の本陣の中に・・・
ケガで残された兵士がいたはずです
もしも兵力に不安があるのでしたら
彼らを連れて行かれたらどうでしょう。
トビィ
帝国の特権階級の人たちの中にも・・・
メディオン王子みたいな人もいるなんて
ボク 少し帝国を見直しちゃいましたよ。