帝国寄宿舎

アロガント
それでは・・・メディオン・・・
お前・・・この砲撃騒ぎは・・・
共和国軍の仕業ではないと言うのか!
メディオンの話をどう思います
マジェスティ・・・兄上・・・?
マジェスティ
わからん その仮面僧侶たちが・・・
こんな騒ぎを起こす目的は何かな?
ガーゼル
常識的に考えても理屈が通りません
騒ぎを起こすのが共和国以外ならば
どんな得をするというのでしょう?
フランツ
確かにその異教僧の連中め・・・
おかしな行動はしていたのでしょうが
この騒ぎとは別としか考えられません。
グランタック
それではガーゼル将軍にフランツ将軍は
メディオン王子以下我々2名の目が節穴だと
・・・バカげているとおっしゃりますか?
キャンベル
命を奪ってまで隠そうとした秘密・・・
それこそ 事実を物語っておりましょう。
マジェスティ
そこまで言うのなら キャンベルよ
証拠を提示してみるがよかろうぞ!
メディオン
・・・・・・。
ガーゼル
死体が消えてなくなったなら・・・
他に証拠になりそうなものはどうだ?
キャンベル
大量の火薬も爆発したため・・・
残っては・・・おりますまい。
アロガント
これでは異教徒の犯行説・・・
前提には話を進められませんな?
クリュエル
大変ですぞ 皇帝が!
スピリテッド
お主が血相を変えてくるとは珍しい
どうしたのだ・・・クリュエル将軍?
クリュエル
連れてこい!
マジェスティ
お前は父上・・・皇帝の供として
和平会議に行った近衛兵ではないか!
フランツ
それにしては・・・
その姿はどういうことだ!
近衛兵
ベ ベネトレイムに・・・。
マジェスティ
なに・・・ベネトレイムにだと・・・
ベネトレイムにやられたというのか!
フランツ
こ 皇帝はどこだ まさか・・・。
近衛兵
ベネトレイムたちに誘拐され・・・
守護の近衛兵で生き残ったのも・・・。
スピリテッド
お前だけだというのか!
近衛兵
面目・・・ございません・・・
ふぐぐ・・・ただし・・・。
クリュエル
連れて行け そして・・・
2階でキズの手当をしてやれ!
フランツ
どういうことです クリュエル将軍?
クリュエル
どういうこと・・・だと・・・?
何のことだ フランツ将軍?
フランツ
今の者 まだ何か言い残して・・・
それなのに連れ去ってしまった
これはいったいどういう訳です?
クリュエル
人命尊重という言葉を知らぬかね?
スピリテッド
ほほ 将軍の口から人命尊重ですって
そんな言葉が聞けるとは思わなかった。
アロガント
くだらぬ口論は もうよい!
共和国に皇帝を誘拐された今・・・
早急に・・・やるべきことがあろう?
マジェスティ
そ その通りだ アロガント。
ガーゼル
メディオン王子の推測話とは違い・・・
やはり共和国が犯人だったという訳だ!
フランツ
やはり共和国の・・・しかも・・・
ベネトレイムが首謀したこととは!
マジェスティ
ヤツらがバーランドの返還を求めて
実力行使に父を誘拐したのであれば
すでに平野部に軍を展開していよう!
スピリテッド
軍と合同して皇帝を連れ去ると・・・
何と卑劣な共和国軍め・・・

許せぬ!

フランツ
待ってくれ スピリテッド将軍
君はマジェスティ王子をお守りしろ。
相手は和平会議に同行の有力将軍です
エキュアルとバリアント両将軍ならば
ぜひ このフランツにお任せいただきたい!
王子のご指示から我がフランツ軍は
兵力を増強して参っておりますだけに
彼らに遅れを取ることもありますまい。
スピリテッド
フランツ将軍・・・貴様・・・
我が軍では相手にならぬというのか!
マジェスティ
察してやれ・・・スピリテッドよ
フランツはもうすぐ奥方となるお前に
危険な真似をさせたくないのだ・・・。
スピリテッド
そ それとこれとは・・・。
ガーゼル
我がガーゼル軍も出撃させていただきます
アロガント王子様側の代表軍として
エキュアル将軍と戦いたいと存じます。
アロガント
よかろう 早々に出陣するがよい。
キャンベル
メディオン様・・・我が軍も・・・
共和国軍の掃討戦に参加しましょう
メディオン軍の初陣にもってこいです。
クリュエル
足手まといなだけだな キャンベル!
アロガント
ふふ 戦闘経験のないメディオン軍では
確かに実戦の役に立つとは思えぬ・・・。
マジェスティ
我が皇帝一族は不敗でなくてはならぬ
それは別にしたところで・・・ムリだ
メディオンの急造軍では戦いにならぬ。
クリュエル
そうだ メディオン軍の実戦経験なら
ガーゼル将軍にまかせれば良かろう?
フィデリティ
それでは・・・あまりに・・・
軍を取り上げられてしまったら・・・
メディオン様のご活躍の場が・・・。
アロガント
フィデリティ お前は誰の味方だ
私は・・・クリュエルの意見に賛成だ。
ガーゼル将軍は歴戦の猛者でもあるから
経験浅いメディオン兵も1人前になろう
バルサモから連れて行け ガーゼル!
クリュエル
ガーゼル将軍・・・。
エキュアル将軍と戦うのも結構だが
今やレイルロードは帝国の重要拠点だ。
どうやら共和国のプロフォンド軍が
あの辺りに駐留しているらしいのでな
念のため 早々に進軍して欲しいのだ。
ガーゼル
そういうことならやむを得ぬ・・・
早々にエキュアル軍戦を切り上げて
レイルロードに向かうことにしよう。
マジェスティ
フランツ キミも行ってくれ!
アロガント
さあ 帝国軍が向かったからには
彼らが吉報をもたらすまでの間
くつろいで待つことにしようぞ。
マジェスティ
フランツのことが気になるのか・・・
ヤツに限っては大丈夫だろうが・・・
もう少しで・・・戦況も入ってこよう。
アロガント
共和国め・・・思い知るがよい
我が帝国に盾突いてきた日々が
どんなに高価な代償になるかを!
クリュエル
バーランドの返還和平会議などと
元々が帝国の領土だった場所・・・
返せなどとおこがましい話なのです。
スピリテッド
最初から返還するつもりがないなら
会議開催の必要もなかっただろうに
どうして応じたのであろうか・・・?
クリュエル
グラビー総督の提案ですからな・・・
顔を立てたというところでしょう・・・。
ブレスビィ
そして共和国を焦らせて行動を起こさせ
それを口実に一網打尽という訳ですな
あまりほめられた戦術ではありませんな。
アロガント
何をいうか ブレスビィ・・・
そんな甘いことを言っているから
ヤツらに独立を許すはめに・・・。
ヤシャ
・・・・・・。
・・・・・・。
アロガント
・・・・・・。
スピリテッド
アロガント王子の陣営は・・・
余程 内緒話がお好きなようだ
そう思いませぬか マジェスティ様?
マジェスティ
アロガントは・・・そういうヤツよ
子供の頃から油断のならぬヤツだった。
アロガント
イヤ・・・違うのだ 兄上・・・。
ヤシャよ 今の話を・・・
みんなに話してやるが良い!
ヤシャ
ガーゼル将軍はメディオン軍を加えて
エキュアル軍を相手に北西へと移動中!
一方の・・・フランツ軍ですが・・・。
ティラニィとバリアントの連合軍と
軍を2分していずれも善戦しながら
北東と北西方向に・・・ただ・・・。
ベネトレイムはそれらの軍に同行せず
シンビオス軍と先程 桟橋を抜けた模様。
メディオン
・・・・・・。
クリュエル
皇帝の所在は定かではありません・・・。
そうだな ヤシャ・・・!
マジェスティ
それではシンビオス軍はどこだ・・・
今 どこに向かっているというのだ?
アロガント
それが行方をくらましたらしい・・・。
ヤシャ
桟橋を破られたサラバンド守備軍は
すぐに騎馬隊を送った模様ですから
あるいは そこから情報も・・・。
マジェスティ
その間・・・ここで待てというのか!
アロガント
どうするつもりだ 兄上!
マジェスティ
シンビオス軍を探し出す!
クリュエル
しかし マジェスティ様・・・表は現在
敵味方が入り乱れて戦闘中で危険ですぞ
・・・同士討ちさえ起こりかねません。
アロガント
帝国の次代を担う我々の出動は・・・
共和国に願ってもないチャンスを与える
・・・出陣した将軍たちに任せようぞ!
それで足りぬなら・・・
フィデリティに頼もう!
元父の側近のそなたなら・・・
皇帝直属の親衛隊を動かせよう?
皇帝の誘拐された緊急事態として
私の名の下に親衛隊を配備してくれ
ヤツらの立ち寄りそうな要所にだぞ。
クリュエル
我々は・・・海からですな?
スピリテッド
本来の私の性に合いませぬが・・・
共和国軍と戦えない今となっては
海上からの皇帝捜索にお供致します。
マジェスティ
あの気丈さは・・・心強いが・・・
フランツは将来 手こずるであろう?
クリュエル
フランツ将軍には悪いが・・・
もったいない女性ですな・・・。
アロガント
まったくだ どこが良くて・・・
フランツを選んだのであろうなあ
もう少し早く知り合えていれば・・・。
マジェスティ
そうであったのか 2人とも・・・
そこまでスピリテッドのことをな。
クリュエル
うほん・・・私も沖から船を呼び
早速 皇帝捜索に参りましょう。
アロガント
メディオンよ 役立つ気があれば・・・
そうだ 地上から共和国敗残兵を探せ
残れば夜盗化する敗残兵を掃討するのだ。
マジェスティ
あわてて 出て行きおったな・・・。
キャンベルよ お前はいつまで・・・
そうしてメディオンに仕えるつもりだ?
お前が・・・私に仕える気があるなら
早いうちに将軍に取り立ててもやろう
どうだ・・・ここで決める気はないか?
キャンベル
マジェスティ様のお言葉に感謝しますが
私もメディオン様の母君様と同様・・・
下級の生まれでございますゆえ・・・。
マジェスティ
下級は下級同士という訳か・・・
よかろう メディオンと行動を共にし
敗残兵の掃討でもやっているが良い!
フィデリティ
辛抱なさいませ メディオン王子!
よくぞ言ったな キャンベル・・・
皇帝はそなたのその気性を知って
メディオン王子に仕えさせたのだ。
ふふ メディオン王子に期待する者は
何もレリアンス将軍だけではありません。
メディオン
・・・・・・。
フィデリティ
今私がアロガント王子に仕えているのも
元々ドミネート皇帝の要請によるもので
全ては皇帝の手のひらの上にあるのです。
バーランドを守護するレリアンスが来ず
メディオン王子は辛い目に会われました
しかしその苦労も自分の糧となさいませ。
皇帝がこの会議に3王子を呼ばれたのは
王子それぞれにご期待あってのことです
どうぞ皇帝の手の平から飛び立ちませ!
ヤシャ アロガント王子のご要望だ
親衛隊長を見つけ これへ呼べ!
メディオン王子 どうぞ行かれませ
そして 手柄を上げられますように。
フィデリティ
私はヤシャが親衛隊長を呼んでくるまで
ここで待っていなければなりませんから
どうぞ えんりょなくご出発なさいませ。
2階の兵士1
うぐぐ・・・天井から人が降ってきて
・・・不意打ちに身構える間もなかった
親衛隊員はやはり死んでいるか・・・
どうして親衛隊員の命を狙ったんだ?
2階の兵士2
返事は返ってこない・・・。