国境の吊り橋南西部

ゼロ
こ この布陣はすごいぞ・・・
何も知らずに来たシンビオス軍を
周囲から包囲し全滅させる構えだ!
キャンベル
あそこからシンビオス軍がやってきたら
一見 何の変哲もない配備に見えるな?
グランタック
ふうむ この布陣を見せられたなら
どんなに慎重な将軍でも油断するのう。
シンテシス
あれはガーゼル将軍じゃない・・・
この卑劣な作戦の糸を引いていたのは
ガーゼル将軍だったのね・・・。
ゼロ
それにエキュアル将軍だ・・・
全共和国民に信望のあるあの将軍が
この作戦に加担するとは信じられない。
ウリュド
あの鳥人は見張りだったのですね
シンビオス軍が現れたに違いないぞ。
メディオン
・・・・・・!
ゼロ
ああ ベネトレイム様ダメですよ・・・
逃げないと これはワナなんだってば!
聞け エキュアル軍の隊員よ!
エキュアル軍副官
ついにベネトレイム様を含む・・・
シンビオス軍が予定の場所に現れた!
お前たちはエキュアル様の要請に応えて
すぐに出陣できるよう所定の位置につけ。
歴史的戦闘が 今ここに始まった・・・
さすがのベネトレイム様もワナにはまり
まんまと吊り橋へ軍を進めることだろう。
それこそ 我々の望むところなのだ!
シンビオス軍が吊り橋に差し掛かった時
総攻撃が始まり彼らの運命も終わるのだ。
キャンベル
そう うまくいくかな エキュアル軍!
エキュアル軍副官
な 何だと・・・帝国軍が・・・
どうして こんな場所に・・・?
メディオン
・・・・・・。
エキュアル軍副官
ぬぬ ラインサイドにいたとは・・・
我々の企みを全て知られているのなら
こちらこそ お前たちを生かしておけぬ。
シンビオス軍の前にヤツらを倒せ
1人として生かして帰すでないぞ!
シンテシス
戦いましょう メディオン様
あんな卑劣なヤツらの企みは
絶対に成功させられませんよ!
メディオン
・・・・・・。
ゼロ
ベネトレイム様たちの命を守り
ヤツらの企てをくじきましょう!
グランタック
地形を見る限りでは中央を抜けるより
軍を2分して戦いに臨むべきですぞ。
キャンベル
ヤツらの意表をついてやりましょう
さあ ご指示願います メディオン様。
エキュアル軍副官
うぬぬ しぶといヤツらめ・・・
我が軍が押されているではないか!
これでは・・・シンビオス軍に
追い討ちをかけるどころではない
我々さえも全滅しかねない・・・。
グランタック
エキュアル軍は我々の攻勢の前に
どうやら ひるみ始めていますぞ!
ガーゼル
かかったな シンビオス軍!
ベネトレイム
何だと・・・。
エキュアル
降伏するのだ シンビオス軍・・・
ベネトレイム様を渡してもらおう。
ダンタレス
はっ その声は・・・
エキュアル将軍・・・。
エキュアル
帝国軍に倒されてくれていれば・・・
こんな形で再会せずにすむはずだった。
ベネトレイム様を渡せ シンビオス
できれば・・・お前を倒したくない。
ダンタレス
寝返ったのか エキュアル将軍?
ガーゼル
寝返ったとは 人聞きが悪いな
将軍は志に従うことにしたまでよ
さあ 答えはどうだ シンビオス。
シンビオス
どうしてあなたのような方が・・・
こんなことをしなければならぬのです
何が不満で帝国軍と手を組むのですか?
エキュアル
我々が理想の元に建国したアスピニアも
結局 真の平等を作り得なかったのだよ
新しい国という組織を作っただけだった。
我々はそれら全てを無に帰すつもりだ
そして 新しい秩序を構築するのだ!
ベネトレイム
帝国の力を借りてか エキュアル・・・
まだ我々の志は半ばではないか・・・
なぜ性急な結論を求めねばならぬのだ。
エキュアル
もう口車には乗れぬぞ ベネトレイム様
貧困の極みにある共和国の臣民を見ろ
第2の帝国に成り下がった現状もだ!
あなたの言葉を信じて待った結果どうだ
何が・・・どのように変わったのだ!
ガーゼル
エキュアル将軍 ヤツの手に乗るなよ!
時間稼ぎはそこまでだ シンビオス
武器を捨て降伏してもらおうか・・・
そして ベネトレイムを引き渡せ!
シナリオ1で「はい」と答えた
シンビオス
ベネトレイム様をお渡ししても良いが
それはあなたがガーゼルと手を切って
共和国の繁栄に助力する時だけです!
ガーゼル
ふむ やけに聞き分けが良いな・・・
その手には乗らぬぞシンビオス
何か策を用意しておるのだろう!
シナリオ1で「いいえ」と答えた
シンビオス
帝国と手を組む裏切り者のあなたに
どうしてベネトレイム様が渡せますか
たとえ指1本さえ触れさせませんよ!
ガーゼル
どこまでも 逆らうつもりらしいな
・・・答えはわかりきっていたがね。
エキュアル
チャンスを棒に振るなら やむを得ぬ
我がエキュアル軍よ 進軍を開始せよ!
ダンタレス
し しまった 伏兵か?
ガーゼル
どういうことだ エキュアル将軍?
エキュアル
そ そんなバカな・・・
どうした・・・エキュアル軍
シンビオス軍の退路を断て!
ガーゼル
おお 見ろ やっと現れたぞ
これで勝ったも同じだ・・・
どうした・・・エキュアル将軍?
エキュアル
おかしい 作戦と違う・・・
全軍が現れる手はずなのだ。
メディオン
・・・・・・!
ガーゼル
そ その声はメディオン・・・王子。
メディオン
・・・・・・。
グランタック
見損ないましたぞ ガーゼル将軍
共和国の内乱軍と 裏で手を結び
共和国王の抹殺に加担されるとは!
ガーゼル
だまれ グランタック・・・
貴様ごとき馬の骨に何がわかる!
キャンベル
将軍の心 私ごときにはわかりませぬ
これが 日頃言われる帝国騎士道なら
その精神 見習いたくもありませぬ!
ガーゼル
ぐぬぬ キャンベル 口の減らぬヤツ
待っておれ シンビオス軍を倒した後
理想国の人柱に してくれるわ!
エキュアル
そこの者は シンビオス軍に追い討ちを
残る者たちはメディオン軍を討つのだ!
メディオン
・・・・・・!
ベネトレイム
加勢をいただきかたじけない メディオン殿
ヤツらは勢いを削がれたぞ シンビオス
このチャンスを逃さず 一気に勝負だ!
エキュアル軍副官
そうか お前があのメディオン王子か!
恥をかかせてくれたな メディオン王子
この屈辱は我が軍の決死の戦いでそそぐ!
グランタック
何とか ヤツらの企ては防ぎましたぞ
さあ 敵の数も後わずかとなりました
総攻撃を加えましょう メディオン様!
エキュアル軍副官
ダメだ このままでは・・・
我がエキュアル軍は全滅だ!
このままでは我々は全滅です
将軍 どうか援軍を・・・!
エキュアル
ヤツらが橋の中程までやってきたぞ
このままでは我らが危なくなる・・・
吊り橋のロープを切れ ガーゼル将軍。
ガーゼル
いい気なものだな エキュアル将軍
それで死ぬのが我が部下だけだから
勝手なことも言えるというものだ。
軍を失い 共和国に取り残された私は
何を頼りに建国に参画すれば良いのだ
ふざけるな ロープは絶対に切らせぬ。
エキュアル
こうなれば・・・問答無用。
ガーゼル
させぬぞ エキュアル!
エキュアル
ガ ガーゼル・・・貴様・・・
お 落ちる・・・助けて・・・。
ガーゼル
ばかめ いずれ始末するつもりだった
それが・・・早まっただけのことだ。
エキュアル
そうか そうであったか・・・
このエキュアル 一生の不覚だ。
ガーゼル
邪魔者は消えた 次はシンビオス軍だ
このガーゼル自ら 劣勢を跳ね返してくれる。
エキュアル軍副官
帝国め・・・はめたのだな・・・。
グランタック
降伏しろ・・・エキュアル軍・・・
将軍を失った今となっては・・・
全滅を覚悟して戦う必要もあるまい?
エキュアル軍副官
くくく そして共同戦線を張り・・・
不要になったら谷に突き落とすのか!
グランタック
な 何を言う メディオン様が・・・
そんなことを・・・すると思うのか?
エキュアル軍副官
今の帝国の卑劣な行動を見せられて
それで帝国を信じろというか・・・。
戦え 例え・・・我らは戦死せりとも
将軍の弔い戦に ヤツらも道連れだ!
・戦闘終了
ダンタレス
メディオン王子と供の方々
重ね重ねのご助力かたじけない!
何と礼を申し上げたら良いものやら。
キャンベル
それは お互い様というものだ
シンビオス軍からの伝令のおかげにて
我らの取るべき道も決められたのです。
メディオン
・・・・・・。
シンテシス
帰っちゃうのね・・・ゼロ・・・。
ウリュド
ゼロは メディオン隊にとってみると
ただ1人の飛行兵だからなあ・・・
いなくなると 戦闘がつらくなるな。
エルダー
頼りにされているじゃない ゼロ!
ゼロ
姉さん・・・。
エルダー
でも あなたにも役目があるわ
乱れた共和国の秩序を取り戻すため
やることが 沢山あったはず・・・。
シンビオス
ムリに連れて帰らなくてもいいだろう
ゼロがメディオン王子の助けになるなら
我々にとって喜ばしいことじゃないか?
メディオン
・・・・・・。
ベネトレイム
メディオン殿は これから南に下られ
バーランドの町に行かれるおつもりか?
バーランドに行かれた その足で・・・
エルベセムに向かってはいただけまいか?
グランタック
聖地エルベセムに・・・ですと・・・
あそこで何か・・・あるのですかな?
ベネトレイム
知られてはいないが・・・ブルザム教は
エルベセムと対極の悪しき邪教なのです。
ヤツらにエルベセムの鬼門の守りを
・・・守護像を壊されてしまいました。
グランタック
仮面邪教ブルザムがそんなことを・・・
わかりました 必ず見てまいりましょう。
ベネトレイム
君は どうする・・・カーン
もちろん メディオン軍と共に
エルベセムに行くつもりであろう?
カーン
エルベセムは心配です 心から戻りたい
だが 私には与えられた使命があります
だから・・・エルベセムには戻りませぬ。
メディオン
・・・・・・。
シンビオス
心からご武運を祈ります メディオン殿
あなたは我が国の和平の希望なのです
くれぐれもムリはなさらぬように・・・。
キャンベル
メディオン軍は 急ぎ南に進路を取り
山脈を越え バーランド首都に向かう。
ウリュド
シンビオス軍はあの吊り橋を渡れば
首都アスピアまでわずかなのですね?
シンテシス
私・・・旅や冒険にあこがれてたけど
そういうのはちょっぴりでいいのよね
ああ 家に帰れるゼロがうらやましい。
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
そうですとも 彼らは国に帰っても
ゆっくりするヒマなどありますまい?
ウリュド
我々の方が幸せかも知れないとは・・・
どうして 彼らの苦難は続くと・・・?
グランタック
今や共和国の経済は壊滅的状況じゃ
帝国軍との戦いもさることながら・・・
国内での経済戦争はさらに過酷じゃろう。
キャンベル
ある意味で強力なモンスターと戦うより
何倍も過酷な戦いと言えましょう・・・。
シンテシス
ふうん 共和国の理念である平等って
今までとても魅力的に思えていたけど
それゆえの苦労ってあるものなのね。
グランタック
さあ 我々もそろそろ参りましょう。
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
険しい山脈の向こうにあるバーランドへ
そしてレリアンス将軍の元・・・。
帝国ガーゼル将軍と共和国エキュアル将軍による ベネトレイム共和国王抹殺のヒレツ極まる作戦は シンビオス軍と協力し未然に防ぐことに成功した アスピニアに帰還するシンビオス軍の無事を祈り メディオン軍はバーランドに向かって出発した 目指すは駐留将軍レリアンスの待つバーランド しかしバーランド中部に横たわる樹海の森から バーランド南部へ歩を進めようとする一行の前に 暗躍する悪しき者の力が立ちはだかるのであった。

第二章 反逆者達の策略 完