シーゲイト号艦上2

キャンベル
稲妻を放つ巨大な飛行物体ですか・・・
それがデストニア城を攻撃してきてると
ううむ・・・とても信じられない話です。
グランタック
ブレスビィ殿は ウソは言わんよ。
ブレスビィ
デストニアの危機を伝えに航海に出て
煙を頼りに接近してきたのだが・・・
こんなことが 起きていたとはのう。
グランタック
閉じ込められたレリアンス将軍のため
こちらもカギを持って逃げた司祭を追い
フラガルドへ発たねばならぬのじゃよ!
ゼロ
そんな・・・フィアール司祭はきっと
飛行兵の力を借りて移動しているはず
軍を移動させてたら追いつきませんよ!
ダビデ
それじゃあ どうすればいい・・・
まさか将軍を見殺しにしろというのか?
ゼロ
つばさで空を直線に進んで行けば・・・
今夜にもフラガルドに入れるでしょう
ボクが行きます いや 行かせて下さい。
はい
グランタック
確かに・・・ゼロが行ってくれることは
デストニアの問題まで抱えた我が軍には
ありがたいことです 残る問題は・・・。
いいえ
グランタック
フラガルドにゼロに行ってもらっても
デストニアの問題は残ったままですな
軍を2分しても指揮官はどうするか?
グラシア
それは キノコの様な形で・・・
緑の光を出して飛ぶ物体でしょうか?
城壁さえ壊す 稲妻を地上に放つ時
カサは いっそうまばゆく光りますか?
ブレスビィ
こ この少年は いったい・・・。
グランタック
聖地エルベセムのメシアの直系・・・
光の神子イノベータのグラシア様じゃ。
キャンベル
グラシア様は ひょっとして・・・
飛行物体に心当たりがあるのですか?
グラシア
オールドテスタメントに記述があります。
悪しき宮殿のドームたるワルキューレが
ヒュードルの魔力の杖の力に導かれる時
それは緑の光のゲートを開き宙に浮かび
ゲートから放つ稲妻は全てを引き裂く
・・・まだ お聞きになりますか?
これは・・・どうも私の仕事のようです。
ワルキューレの攻撃さえなくなれば
デストニア城は 持ちこたえられますね。
私が ドームにうまく近付くため
援護の者をつけて下さいませんか?
ジュリアン
その役・・・オレが引き受けるよ。
ここのところのメディオン軍の戦いと
これから行くだろうサラバンドの戦い
オレから見れば内紛みたいなものだ。
それに比べれば これからグラシアが
挑もうとする相手はヒュードルだろ?
オレはヒュードルを倒すため・・・
これまで・・・戦い続けてきたんだよ
あの帰らぬ父を待つ悲しさを忘れずに。
だから オレはグラシアと行く・・・
思想の闘争に巻き込まれるぐらいなら
ヒュードルとの戦いにかけたいんだ!
ドンホート
私もグラシア様と行かせてもらう!
私は平等のために戦い続けて・・・
全てに失望し目的を失った男なのだ
平等は実現できぬ理想だと・・・。
だがジュリアンの話を聞いていて
まだ自分を生かせる道があること
・・・それに気づかされたのだ。
ステラを殺した
エキュアル
その仲間に私も入れてくれぬか?
私は帝国と戦い アスピニアを裏切り
今や故国までもを失った男だ・・・。
そんな私でも最後まで忠誠を誓って
信じられるものがあることを知った。
グラシア様 私をぜひお連れ下さい
エルベセムに我が忠誠の全てを・・・。
ジュリアン
我々がメディオン軍から離れること
・・・どうか許して欲しい。
はい
ジュリアン
メディオン王子のことだからきっと
快く許してくれると思ってた・・・。
いいえ
ジュリアン
危険なことは百も承知さ だが・・・
これにヒュードルが絡んでいるのなら
ガルム探しにもきっと役立つだろう。
グラシア
ジュリアン殿たちが来てくれるなら
こんなに 心強いことはありません。
ブレスビィ
よくぞ言ってくれましたな・・・
グラシア様やジュリアンらの力を借り
ワルキューレを追い返しましょうぞ!
ゼロ
ボクも必ずカギを持ち去った司祭を探し
明日の船の沈没までにレリアンス将軍を
きっと救う・・・見殺しにはしないさ!
グランタック
そうじゃ ゼロよ フィアール戦のため
お主が預かってきたエルベセムの宝珠を・・・
せんべつ代わりに持っていくが良いぞ。
キャンベル
我々はドミネート皇帝の行方を追って
サラバンドに直行ですね 王子・・・。
ゼロ
レリアンス将軍を助けるため・・・
必ず カギは取り戻してきますよ!
シンテシス
頼んだわよ ゼロ!
ブレスビィ
さあ 我々もそろそろ行こう・・・
ワルキューレにデストニア城が
征服されてしまう前にの・・・。
ジュリアン
メディオン軍は短い時間だったけど
シンビオス軍同様にいい仲間だった
これきりかも知れないが忘れないぜ。
メディオン
・・・・・・。
グラシア
みなさんのこれからの旅の・・・
安全を心から祈っております。
ドンホート
さあ デストニア首都に向け 出発!
キャンベル
みんな 行ってしまい・・・
寂しくなりましたな 王子。
ウリュド
ちぇ ジュリアンのヤツったら・・・
しんみりさせること言ってたなあ。
シンテシス
なあに 涙ぐんだりして・・・
どうしたの・・・ウリュド・・・。
グランタック
大丈夫じゃ また会える・・・
きっと会えますともなあ 王子。
メディオン
・・・・・・!
キャンベル
そうですとも メディオン王子・・・
我々も目的を果たすために 出発!
レインブラッドを加えての三つどもえの戦いから グラシア救助とベセムの杖奪取を果たした一行は レリアンス将軍の手引きにより洋上へと脱出した エグゼキュータ号とクリュエル軍との戦いでは 勝利を収めながらもフィアール司祭のワナから レリアンス将軍が窮地に追い込まれるのだった 帝都からの支援要請でジュリアンたちを送り出し 兵力を割いたメディオン軍の目的地サラバンドは 彼らの来訪準備を整えて待ち構えていたのだった。

第四章 汚されし聖地 完