グラビー邸内

ドミネート
アロガントの大馬鹿者めが・・・
邪教などに 魂を売り渡しおって!
アロガント
父上 あなたは頭が堅過ぎる・・・
マジェスティ兄君が皇帝を継いだら
デストニア帝国は終わったも同じです。
ドミネート
お前なら巧くやれるというのか・・・
共和国の裏切り者や邪教団の手を借り
誘拐事件まで起こす卑劣な男が・・・。
グラビー
これは 手厳しいですな。
これだけの 大仕事をやった息子を
卑劣漢扱いですか ドミネート陛下?
ドミネート
これが・・・大仕事だと・・・
ククク 確かに大仕事よ・・・
本人の思考のみで行ったならば!
アロガントのみの戦略ではなかろうが
・・・サラバンド総督グラビーよ!
古ダヌキの入れ知恵を手がかりとし
その者らの力をも頼った大仕事では
いったい誰の仕事か知れたものか!
アロガント
何ですと・・・何と言われます・・・。
ドミネート
言うことはまだあるぞ アロガント
計画も遂行も人に頼ったこの作戦・・・
お前は人形使いに踊らされる人形よな!
アロガント
私が・・・人形・・・ですと・・・
意志もなく・・・力もないと・・・。
私に 国を治める力がないと・・・
だから デストニアは継がせぬと・・・。
私を 後継指名するつもりがあったから
父上の最も信頼するフィデリティ将軍を
軍師として頂けたのではないのですね?
ドミネート
確かに フィデリティをつけたのは
お前に帝王学を学ばせるためだった
それは 失敗に終わったようだがな。
フィデリティ
皇帝のご期待にそえなかったこと・・・
このフィデリティの不覚でございます。
グラビー
親子の血は争えませんぞ 皇帝・・・
アロガント様がこの計画を選択したのも
皇帝の血を引いていらっしゃるからこそ。
後継権利者の相次ぐ事故死により・・・
第4王子のあなたが皇帝を継がれたこと
・・・忘れた訳ではありますまいな?
アロガント様も それをお望みなのです。
アロガント
あなたの血を受け継いだ王子は・・・
マジェスティと私とメディオン・・・
2人が亡くなれば 私が継ぐしかない。
そして あなたが亡くなれば・・・
帝国の支配権利者は一人になる・・・。
グラビー邸中庭
キャンベル
我々の力を恐れるサラバンド・・・
メディオン軍が再び編成された 今
グラビー総督も ことを急ぎましょう。
グランタック
今ここでドミネート皇帝を奪われては
ヤツらの企みもついえてしまいかねない
それだけに抵抗も強力でしょうぞ!
我らにとって正念場の一戦・・・
勝つのですぞ メディオン王子
勝って皇帝を取り返すのです!
グラビー邸内
ドミネート
やっと来おったか メディオン軍!
アロガント
あなたは・・・それを待っていたのか
私があなたへの説得を試みると知って
ワザと時間を引き延ばしていたのか?
ドミネート
ふふ・・・。
アロガント
つまり自分を助けに来たメディオンと
私とを・・・戦わせるお考えだったと
父上は・・・それを望んでいたのか?
ドミネート
・・・・・・。
グラビー
アロガント殿 決断の時です・・・
皇帝の言葉に惑わされてはなりません。
アロガント
本当に残念ですよ・・・父上・・・
こんな悲しい命令を出さねばならぬとは。
お前たち 命令を与える・・・。
父 ドミネート皇帝の命・・・。
フィデリティ
アロガント様 お待ちを!
アロガント様が実の父の処刑の命令を
出される姿は見るにしのびないのです
ここは私にお任せ頂けませぬか 王子?
グラビー
皇帝の腹心だった あなたに・・・
それができますか フィデリティ殿?
フィデリティ
それができるか・・・できぬか・・・
じっくり見ていて頂きましょうか?
グラビー
ふふ これは面白い・・・
じっくり見せて頂きましょう!
ドミネート
見損なったぞ フィデリティ・・・。
フィデリティ
・・・・・・。
向こうの壁際に・・・。
向こうの壁際に 早く・・・。
アロガント
な 何をしている フィデリティ?
フィデリティ
フィデリティ精鋭部隊これへまいれ!
アロガント
ど どういうことだ・・・
貴様・・・裏切りおったな!
フィデリティ
裏切ったのではございません・・・
私の忠誠は 常に皇帝に捧げております
皇帝に害の及ぶことは・・・できません。
アロガント
何だと それなら誘拐は・・・
誘拐を・・・見逃したのはなぜだ!
フィデリティ
あれは ドミネート様のお許しで
・・・不本意ながら 見逃しました。
グラビー
我々の計画を利用したな ドミネート
共和国に対し・・・皇帝誘拐の理由を
攻め上る合法的な機会に使うためか!
アロガント
それが答えですか・・・父上・・・
元から私を信用していなかったのですね
私を皇帝指名するつもりも当然ないと?
グラビー
ドミネート皇帝のことが・・・
やっとわかりましたか 王子?
アロガント
やっと本当の父を理解したが・・・
今となっては手遅れかな グラビー?
グラビー
何の 我らにはまだブルザムが・・・。
デスヘレン・・・デスヘレン・・・!
デスヘレン
呼ばれましたかな グラビー総督?
グラビー
エルベセム神殿で受けしキズは
だいぶ治りましたかな・・・?
デスヘレン
ずいぶん良い すでにバサンダは・・・
完治せぬままオブサーブへ向かった。
私を呼んだのはドミネートのことか?
グラビー
それもあります その他にも・・・。
アロガント
メディオン軍だ!
デスヘレン
メディオン軍だと・・・ヤツらなら
始末をつけたはずではなかったのか!
グラビー
メディオンを泳がせておいたのが失敗だ
兵を救助されここに迫ってきている。
デスヘレン
それでブルザム教の力が借りたいのか
ふふ 面白い メディオン軍と戦おう!
とうとう 戦えるか メディオン軍
手負いのデスヘレンの恐ろしさ・・・
その身体で しかと受けてみるが良い!
デスヘレン
・・・ヤシャ・・・まいりました。
アロガント
そこに来ていたのか ヤシャ・・・
相変わらず・・・素早いヤツだ。
ヤシャ
フラッター将軍が・・・
シンビオスに敗れました。
グラビー
それはまことか・・・ヤシャ!
アロガント
共和国の勇将フラッターが倒されるとは
コムラードの息子は思ったよりやるな。
ヤシャ
残る希望はフィアール司祭のみです。
フラッター将軍の息子のブラーフから
計画を早めたいとの打診の合図が・・・。
グラビー
するとシンビオスはフラガルドを経由し
そのままパルシスの元へ向かうのか?
ヤシャ
わかりません バサンダがいないため
ブラーフの真意は正しようもありませぬ。
アロガント
父が倒されての・・・気の迷いか・・・
それとも好機と考えた末のことか?
グラビー
ブラーフがアスピア制圧に動くなら
我々はすぐにも支援に向かわねば!
ヤシャ
奪ったシーゲイト号の準備は完全で
いつでも出航が可能の状態です!
デスヘレン
行くが良いわ アロガント王子・・・
私はメディオン軍をできるだけ食い止め
王子たちのアスピア侵攻の援護となろう。
グラビー
ここは任せるとしよう デスヘレン司祭
だが我々の当面の目標はアスピア制圧だ
それを忘れずに行動してほしい・・・。
デスヘレン
戦局が劣勢に立つようならば・・・
引けということか・・・約束しよう。
アロガント
ひとつだけお教えして差し上げましょう
メディオンは共和国のシンビオスと通じて
何度も共闘していたのですよ 父上!
ドミネート
何・・・コムラードの息子と・・・。
アロガント
そうです ヤツはあなたの野望に・・・
きっと立ちはだかる存在となりましょう。
ドミネート
そうか メディオンがな・・・。
アロガント
どうか そのことを肝に銘じ・・・
お忘れになりませぬように・・・。
ドミネート
わかった・・・アロガントよ・・・。
フィデリティ
ドミネート様 グラビーたちが・・・
長年の悲願であったアスピア制圧を
・・・先にやられてしまうのでは!
デスヘレン
おっと おとなしくしているんだ・・・
ヘタに動いたら私が相手になるよ!
あんたたちもだよ メディオン軍
ドミネートを救いたいのであれば
私と戦って勝つしかないんだ!
戦闘終了
キャンベル
ついに強敵デスヘレン司祭を・・・
倒すことに成功しましたな 王子。
デスヘレン
あの時のキズが治ってさえいれば・・・
こんな無様なことにならなかったのに。
こ こんな無様な戦いのままでは
私は 死んでも死に切れぬ・・・。
まだ あなたは死なせませぬ・・・。
デスヘレン
そ その声は・・・ヤシャ・・・
私を・・・助けてくれるのか?
グランタック
やや ヤシャが煙り玉を・・・
ひん死のデスヘレンを逃がすつもりじゃ。
ヤシャ
またいずれ メディオン王子・・・。
ドミネート
グラビーを追わねばならぬ・・・。
グランタック
追うのでございますか ドミネート様?
ドミネート
分裂した国土の統一と併合は・・・
このドミネート・・・長年の悲願だ
グラビーに先を越されてはならぬ。
キャンベル
首都デストニアがブルザムの侵略を受け
危機的な状況なのをご存じですか?
グランタック
ワルキューレという飛行兵器を用いて
デストニア城を攻め落とさん勢いだと
ブレスビィが支援を要請して参りました。
ドミネート
私に どうせよと言うのだ・・・?
キャンベル
一刻も早くフィデリティ殿と共に
デストニアに戻られるべきかと!
ドミネート
できぬぞ・・・キャンベル。
ブレスビィの要請には応えたのであろう
そうでなくて・・・ここへ来る訳がない。
私が共和国に上陸できる絶好の好機は
・・・見逃すわけにはいかぬのだ。
急いで兵をまとめさせよ フィデリティ。
アロガントが残していった兵をまとめ
皇帝近衛軍として編成し直すのだ。
進軍の準備を整えよ メディオン
準備ができしだい 表で待機せよ。
はい
ドミネート
ほう 何も口答えせず従うのか・・・
コムラードの息子と親交のあるお前が
アスピア制圧に黙って従えるのか?
いいえ
ドミネート
反発すると思っていたぞ メディオン
コムラードの息子と親交のあるお前は
アスピア制圧には抵抗があるだろうな。
フィデリティ
反発したい気持ちはわかりますが・・・
ここはこのフィデリティをご信頼頂いて
今は服従なされませ・・・メディオン様。
ドミネート
ぬう・・・なにヤツか!
オネスティ
私はレリアンス軍のオネスティです
エグゼキュータ号に閉じ込められし
レリアンス様の命でまいりました。
キャンベル
レリアンス将軍の腹心オネスティは
・・・信頼できる人物でございます。
ドミネート
ほう レリアンスの腹心とな・・・
ならば十分な教育を受けていような?
オネスティ
はい レリアンス将軍は厳しい方ゆえ
軍のために生き軍のために死ねと・・・
皇帝は我々の最高権威と心得ております。
フィデリティ
レリアンス将軍からどんな命令で
やってきたのか申してみよ・・・。
オネスティ
シーゲイト号をアロガント軍に奪われ
もはや航海ができなくなったとのこと!
エグゼキュータ号の浮力はつき・・・
ほどなく沈没するゆえ今生のお別れに
・・・私を向かわせたのでございます。
フィデリティ
レリアンス将軍は船倉に監禁されたか
カギも開かぬまま沈没を待つのだな?
オネスティ
私で代われるものであれば・・・
本当に・・・残念でなりませぬ。
ドミネート
・・・戦争とは心痛むことが多い
レリアンスのこと・・・残念だな
他にも・・・心痛むことがある。
デストニアがブルザムの侵略を受け
首都が・・・城が攻められている。
危機にある首都に心を痛める私のため
デストニア城のマジェスティに・・・
手紙を届けてくれぬか オネスティ?
オネスティ
はい 喜んで行かせて頂きます・・・。
ドミネート
そうか 届けてくれるか・・・
それでは ついてまいれ。
デストニアの支援要請には
誰を送ったのだ・・・?
グランタック
エルベセムからお連れした・・・
イノベータのグラシア様が行かれました。

ドミネート
グラシアが行ったのか すると・・・
ベセムの杖を持って行ったのだな?
はい
ドミネート
そうか ベセムの杖を持って・・・
グラシアがデストニアに行ったか!
いいえ
ドミネート
ふふ ウソをついてもわかる・・・
グラシアがブルザムと戦うつもりなら
ベセムの杖は必ず持っていくはずだ!
フィデリティ
皇帝・・・これは・・・。
ドミネート
ふむ 面白くなってきた・・・。
キャンベル
皇帝はグラシア様とベセムの杖のことを
・・・知っておいでだったようですな?
グランタック
皇帝は知るほど図り知れない方じゃよ。
キャンベル
皇帝をアスピアにお連れしたら・・・
我々は共和国を帝国に併合する企みに
手を貸さねばならなくなりますぞ 王子。
グランタック
しかし皇帝をここに置き去りにしたら
ヘッドランドとスワンプランドの双方に
皇帝を差し出すのと変わらぬのだ・・・。
我々は大陸航路に通ずる山脈の西まで
皇帝をお連れせぬ訳にはまいりますまい
そのための準備をしましょうぞ 王子?
グラビー邸内
オネスティ
ドミネート皇帝から手紙を頂くため
こうして待っているのですが・・・
いったい どんな手紙なのでしょう?
フィデリティ
ドミネート皇帝はマジェスティ様へ
手紙を書かれている最中なのです
メディオン様は出発の準備を・・・
どうか 進められますように。