スワンプランド城内の一室

イリア
ずっと憎み続けたドミネート皇帝に破れ
スワンプランドまで占領されて・・・
我が夫のサイオスも無念なことでしょう。
フィデリティ
・・・諦めなさい これが戦争なのです
刃を向けたら刃が返されることは・・・
サイオス殿も覚悟なさっていたでしょう。
ロマテラ
この恐い方はどなたです ママ様・・・
パパ様に何かなさったのでは・・・?
イリア
この方は私たちと血がつながっている
デストニア帝国のドミネート皇帝なの
・・・そしてお父様を殺した仇なのよ。
イアソン
ぐすん パパ様・・・ホントに・・・
亡くなったのですね ママ様・・・?
イリア
この・・・悲しそうな子供たちを見て
何も感じないのですか ドミネート皇帝。
共和国の辺境で細々と暮らす血族の者に
ためらいもなく死を与えるあなたを
・・・私もこの子たちも忘れないわ。
ドミネート
この恨みは決して忘れない・・・
そう言いたいのであろうな・・・?
夫や父親を殺された者は みな・・・
そう言っていたものだな フィデリティ。
フィデリティ
はい みな・・・恨みながら果てました。
グランタック
皇帝は権力争いに倒れていった者と
その血族にも死を与えて参ったのです
後に戦いの火種を残さぬためと・・・。
ドミネート
私の政策に異論がありそうだな?
ヘタに権力を残した反抗分子は・・・
その権力が災いしムダに戦を始め・・・
新たな不幸を国にもたらすと思わぬか?
はい
ドミネート
言葉では賛同しても 顔が否定しているぞ
権力に刃向かう者を許すことは・・・
権力までを否定する結果になるのだぞ。
いいえ
ドミネート
ふふ 青いな・・・メディオン・・・
お前が権力を持ち国土を支配したなら
私の政策が理解できる時もこようぞ。
ドミネート
行け サイオスの妻と子供たちよ・・・
我々が出発する時・・・命を失うまで
この世のなごりを惜しむことを許そう。
イリア
お お願いです・・・ドミネート皇帝
私の命は・・・もう諦めました・・・
どうか子供たちだけでも許して下さい。
フィデリティ
お気の毒ですが・・・イリア殿・・・
今日の帝国があるのはそうした願いを
全て排除してきたからなのです・・・。
イリア
な 何の罪もない子供まで・・・
ロマテラとイアソンの命まで・・・
人でなし・・・人でなし・・・うっう。
メディオン
・・・・・・。
キャンベル
お止め下さい・・・メディオン様・・・
帝国にあって皇帝のお考えは絶対です
それに背きたくば 背きたくば・・・。
グランタック
止めい キャンベル その先は・・・
帝国軍人として言ってはならぬことぞ!
ドミネート
サイオスの母子のことは終わった・・・。
フィデリティ
裁きは下されたのです メディオン様。
今まで裁決を違えたことはありませんが
王子のお人柄ゆえ過度の刺激は・・・
今後の作戦に支障がないとも限りません。
ドミネート
私に再考を促すか フィデリティ・・・。
フィデリティ
王子の目の前で刑を執行することで
反発の気を育てては逆効果でしょう
執行の時をあらためてはいかがかと?

グランタック
執行の時期を一考して頂ける・・・
それだけでも願ってもないことです
そうですな・・・メディオン様?
はい
ドミネート
極刑を執行するには変わらぬのだぞ
・・・このドミネートらしくないが
執行の先送り・・・一考してもよい。
いいえ
ドミネート
極刑を変えることはできぬ・・・
極刑執行の先送り以上の要求には
聞く耳はもたぬ・・・交渉上手め。
グランタック
寛大なる皇帝のご決断・・・
心からお礼を申し上げます。
ドミネート
町のウワサによると首都アスピア方面で
救援を求める合図が上がったらしいな?
これがアロガントたちによるものなら
スワンプランドに長居はできぬ・・・。
フィデリティ
進軍の準備をなさいませ メディオン様
準備ができしだい 湿地の原野を抜けて
火山の穴からアスピアへと進軍ですぞ!
ドミネート
権力とは好むと好まざるとに関わらず
1度手にした時から手放せぬものだ
手放す時は死ぬ時なのだ メディオン
サイオスの血族の延命を長引かすのは
権力の効力を自ら弱めるものだ・・・
極刑の延期もアスピア併合までのこと。
フィデリティ
帝国という巨大な国を統率するためには
絶対的な権力を集中せねばなりません
権力は逆らうことへの怖さがあって
初めて効力を得るものなのです・・・
時に冷酷なほどの非情さも必要なのです。
シナリオ1で船倉のカギを入手した
レリアンス
フィデリティ殿を責めてはならぬ・・・
彼は本来 温情の厚き良き人物なのだが
与えられた役目が彼を非情に映すのだ。